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経営
2022.09.16
お金をかけずにペーパレス化、電子化を!!人手不足、人材難にも有効!!(中小零細企業必見です!!)
「月次の経理業務の時間を少しでも短縮、早期化できないでしょうか。」
「人材不足も継続するだろうし世の中もどんどんIT化が進んでいると聞くし。。。」
「うちみたいな零細企業でも取り入れられる脱アナログ策はないでしょうか。。」
最近顧客様からのご相談が増えてきております。
人手不足は継続し、インボイス制度、電子帳簿保存制度、スキャナ保存制度への対応も迫られ、検討を進めている会社も増えてきているのではないでしょうか。
月次の経理作業(出納帳作成や領収書の管理)は適切に帳簿を作成するために会社にとって重要な作業ですが、手作業での転記やエクセル入力は何かと手間がかかります。
ご相談を受けるなかで、どこがネックとなっていたのか傾向もつかめてきました。
業容拡大による作業増加で人手不足に困っている経営者の方もいらっしゃるのではと思います。
今回は小規模な会社でもお金はかけず経理業務の効率化やペーパレス化、脱アナログ化につなげる方法をご紹介します。
このブログは公認会計士・税理士である財務コンサルタントが中小企業の経営力を強化して日本を元気にするためにぜひ知っておいてほしいと思う情報を共有するために書いたものです。
結論:中小零細企業の業務効率化のポイントは現金取引の削減とペーパレス化、電子データの活用!改善の方向性検討の際は経営に必要な業務(営業、生産、戦略検討)には時間をかけ、準備作業の効率化を優先すべし!テレワーク導入や働き改革のきっかけにもつながります!
取り入れやすい効率化の方法
・可能な限り現金取引を削減
現金取引は、クレジットカードのように利用情報がデータとして蓄積されませんので、どうしても領収書から転記(紙資料又はエクセルなど)という作業が発生してしまいます。
小口現金の必要性を見直し、原則クレジットカード払い、現金取引は現金払いしかできない場合に限定することで現金取引数を可能な限り削減しましょう!
現金出納帳を作成する作業時間が短縮されるだけでなく、小口現金の準備も最小限にすることで盗難リスクも減ります。最終的には小口現金自体を無くしてが現金管理が不要な会社とすることも検討しましょう。
・預金通帳の電子データ化
ほぼすべての金融機関では、ホームページでアカウントを作成すれば通帳明細を電子データ(エクセル形式、CSV形式)で入手可能となっています。記帳のために銀行へ行く時間も不要です。
・クレジットカード利用明細の電子データ化
ほぼすべてのクレジットカード会社では、ホームページでアカウントを作成すれば利用明細を電子データ(エクセル形式、CSV形式)で入手可能となっています。むしろ紙の利用明細を発行する方が追加料金が発生する会社もあるほどです。
・作成資料の電子データ化
作成資料をノートなどの紙資料からエクセルファイルなどの電子データへ移行することで様々なメリットがあります。
(なお、エクセルをプリントアウトして紙で保管しているものは紙資料と同義ですのでお間違いなく。)
電子データ化、ペーパレス化の効果
・物理的制約がなくなる
紙資料の到着を待つという時間が無くなりますので、月次作業が遅れる理由が紙資料を待っているからというケースが無いか他の業務も合わせて見直してみましょう。担当者への確認や会計事務所への送付も電子データなら郵送ではなくメール一本で済みます。
・保管場所が不要
電子ファイルで年度ごと、月ごとなど整理してパソコン内でフォルダ管理すれば席を立つことなく多くの情報を利用、整理することができます。
・入力項目の削減
明細データには“日付”、“取引先”、“金額”の情報が記載されているため、“適用”と“科目”のみ追加入力すれば簡単に預金出納帳が作成できます。
・作業早期化
いわずもがな集計、合計チェックなどが手計算よりは爆速かつミスがなく作業が進みます。
電子データはコピー、貼り付けが可能ですので入力時間や転記ミスの削減につながります。
社内検討や取引先から依頼があった場合に、保管場所へ取りに行く、担当者へ持って行く、担当者が使っているため他の担当者の作業が進まないなど紙資料ならではの制約から解放されます。
・デジタル化を推進している取引先との取引継続につながる
取引先も人手不足や働き方改革の改善を目的にデジタル化を進めているかもしれません。従来のやりとりが先方のデジタル化を阻害する要因となる可能性もあります。
テレワーク、働き方改革へのきっかけに
・従来会社に保管していら情報がパソコン内に保管されるため、クラウドサーバを活用すれば外部からのアクセスが可能となります。
・領収書の転記作業も紙資料をスキャンしてクラウドサーバに保管しておけば家にいながら入力作業が可能となり、万が一出社できない状況でもテレワークにより作業が可能になります。
・出張のあいた時間に事務作業も可能となるでしょう。
・人材確保が難しい昨今の状況ですが、出社場所を選ばない環境があれば、地理的制約がなくなり必要なスキルをもった人材確保につながるかもしれません。
・作業効率の向上により人手不足解消、残業削減、休日の増加による働き方改革にもつながる可能性あります。
いかがでしたでしょうか。
今回は手始めに取り入れられる方法を紹介させて頂きました。
“知らなかった”だけではもったいなすぎる業務に取り入れやすい方法かと思いますので、自社に取り入れられないかぜひご参考にしてください!!
当事務所では月次業務の効率化や脱アナログ化を支援するサービスも提供しております。
ご興味がありましたらぜひご相談ください
この度はブログを読んで頂きありがとうございました。
経営に“財務の目線”を
財務コンサルタント 谷口純一
2022.08.26
あなたの会社はドンブリ経営?専門家との協業という選択肢があります!
本日はドンブリ経営の是非の話を。
経営者の中には「うちはドンブリ経営ですが営業スキルやコミュニケーションスキルをフル活用して売上を作っていくから問題なしです!」という方もいらっしゃるでしょう。そんな方にぜひ読んで頂きたいですね。
このブログは公認会計士・税理士である財務コンサルタントが中小企業の経営力を強化して日本を元気にするためにぜひ知っておいてほしいと思う情報を共有するために書いたものです。
結論:現代においてドンブリ経営は非常に経営リスクが高い。経営者の業務負担が大きい中小零細企業にこそ、経営管理に不足しがちな機能を専門家と協業することにより脱ドンブリ経営が出来る体制を構築する必要があるのではないか。
ドンブリ経営とは
このブログにおけるドンブリ経営とは、「会社の数字(決算情報や経営判断に必要なデータなど)を軽視した大雑把な経営管理手法」と定義します。
例えば、以下のような経営の仕方です。
・商流ごと(商品群別、事業別、顧客セグメント別など)の採算を評価していない、または評価できない経営管理体制である。
・感覚的な経営判断のため事業活動の成功体験、失敗体験の客観的な振り返りがされていない、またはその過程が可視化されていない。
・現状を数字で語れない。
・将来を数字で語れない。
etc
ドンブリ経営が定着してきた理由
・経営者が営業や現場業務に追われ、経営管理に十分な資源を投入できない。
・従来からそのやり方で事業がまわってきた。
・そのやり方しか知らない。
中小・零細企業は大企業とは異なり営業、製造、管理と分業ができるような組織を持ちません。そのため、経営者が目の前の課題を常にさばき続ける必要があり、どうしても大きな目線で経営環境や業績を振り返り、ビジネスの課題や将来の方向性に向き合う時間をとることが難しいんですよね。
最近脱ドンブリ経営に取り組む中小企業が増えてきています。
なぜでしょうか?
経営環境の変化
ドンブリ経営は高度経済成長期のように、市場の拡大期に浸透してきた経営手法です。
世の中が新しいものを求めており、消費行動が活発な状況化でビジネスチャンスが多く、行き当たりばったりでも流行のビジネスに資金さえ投入できれば売上につながってきた時代が確かにありました。
経営環境の変化
・人口減少(既存市場の縮小傾向)
・少子高齢化(消費活動の縮小傾向)
・産業の成熟化(いいものでも安くでしか売れない時代)
・デジタル化(情報拡散スピード、アナログ作業の価値低下、ITツールの進化)
・価値観の変化(ジェンダーレス、SDGs,終身雇用の終了、働き方改革)
さらにコロナ禍により人々のライフスタイルやニーズの変化が加速し、流行と衰退の波が激しく、消費者ニーズは常に変化し続け、昨日まで売れていたものが急に売れなくなることも当たり前の世の中になっています。
さらに為替変動や物価高騰、戦争による地政学リスクなど事業の先行き不透明な状況が継続し、稼ぎ頭が赤字ビジネスになるなんてことも他人事ではありません。
ドンブリ経営のリスク
・自社の変化に気づきにくい(肌感でわかるころには遅い)
・外部環境の変化に気づきにくい
・感覚的な判断で顧客ニーズを把握するには限界がある(そもそも判断材料が不足している)
・上記の結果、他社に遅れをとったり、誤った戦略を取り続ける可能性がある
つまり、ドンブリ経営を続ける会社は現代の経営環境下では非常に経営リスクが高いということです。
すでに資金繰りが悪化している場合はもちろん、現在黒字で資金繰りに不安がない状況であっても、現状を理解し、変化に気づける体制を構築し、次の一手を検討したり行動に移せる経営力をどの会社も身に付けておく必要があるのです。
とはいえ前述のように中小企業の経営者の方は営業や現場業務に追われ専門的知識の習得や財務分析や検討に取り組む時間的余裕はないという現実があります。
経営者の負担が大きい中小零細企業にこそ、うまく専門家を活用し協業する体制を構築していく必要があるのではないでしょうか。
この度はブログを読んで頂きありがとうございました。
経営に“財務の目線”を
財務コンサルタント 谷口純一
2022.07.14
つぶれにくい会社の作り方
経営にはリスクがつきものであり、特に昨今は時代の変化に加えコロナ、紛争などの地政学リスク、物価高騰など予測できない事態が頻発しています。経営者の方もこれまで通りの対応や自己のノウハウだけでは予測不能な将来について不安を抱えていらっしゃる方も少なくないと思います。
本日はつぶれにくい会社の作り方を。
このブログは公認会計士・税理士である財務コンサルタントが中小企業の経営力を強化して日本を元気にするためにぜひ知っておいてほしいと思う情報を共有するために書いたものです。
結論:つぶれにくい会社とは資金繰りが安定した会社、資金繰りを予測できる会社である。
世の中には利益が出ていてもつぶれる会社、売上は減っていないのにつぶれる会社というものが存在します。
なぜなら会社のお金が無くなってしまったからです。
企業がつぶれた理由にはコロナで稼働が落ちた、部品の供給が遅れた、競合他社が現れた、気付いたときには資金繰りが悪化しており追加融資が遅れ手遅れだったなど企業ごとにさまざまですが、多くのケースに共通していることがあります。
それは資金繰りを見誤るということです。
資金繰りを予測できる体制が整っていないと、このままだといつまで資金がもつのか、そのためにいつまでに資金調達が必要かということの検討にまず時間がかかり、それから資金調達に奔走し、対応が遅れてしまい資金がつきてしまうケースがあります。
対応時期が遅れるとそれだけ資金調達の支援内容も専門性が高くなるため専門家報酬も高水準とならざるを得ません。お金がないところに専門家報酬のダブルパンチとなってしまいます。
つまり、平時のときでも資金繰りの目線を持つ、資金繰り管理(振り返りと予測)が出来るようにしておくことがつぶれにくい会社になるために必要だということです。
とはいえ資金に困っていないのに外部コンサルを雇う気にならないのも理解できますので、常日頃最低限の資金繰り状況の確認は怠らないようにして頂きたいです。
これだけはして欲しい資金繰り状況の確認
① 3-5期間の現預金残高の推移をチェック
ここ数年で現預金残高は増加傾向か、減少傾向かチェックしましょう。減少傾向であればその原因を深堀り、一時的なものなのか回復の見込みがあるのか、必要な対策はないのか検討しましょう。
② キャッシュフロー計算書の営業キャッシュフローの推移をチェック
営業キャッシュフローとは、設備投資や借入金の実行返済以外の本業から得られるキャッシュです。プラスで推移しているかマイナスで推移しているか確認することで本業の資金獲得能力をチェックすることが出来ます。
③ 毎期の業績の振り返りの際に資金繰りについても振り返る。
少なくとも年に一回は資金繰りの観点で振り返りを実施しましょう。
本業のキャッシュに比べて予定している投資額が多額ではないか、借入金の返済額が本業のキャッシュを超えているのであれば追加融資がされない可能性やそれを回避するための資金繰り改善策の検討に早期に着手できます。
④ 資金繰りを相談できる人間をつくる
資金繰りの予測や振り返りにはそれなりの経験値や専門性が必要です。顧問税理士さんや銀行担当者に相談しても明確なサポートが得られない場合、他に頼れる専門家がいないか探してみましょう。
本日は以上となります。
資金繰りの重要性について考えて頂き、資金繰りに不安を感じず本業に専念して頂ける環境を整えることで、つぶれにくい会社を目指すだけではなくより事業を成長させるきっかけになれば幸いです。
この度はブログを読んで頂きありがとうございました。
経営に“財務の目線”を
財務コンサルタント 谷口純一
2022.07.13
経営計画を作る経営者の目的
財務コンサルタントあるあるなのですが、
私:「経営計画作りませんか?」
社長A:「先のことなんてわからん」
社長B:「うちみたいな小さな会社に必要ない」
社長C:「数字は頭に入っている」
社長D:「会社まわってんねん」
社長E:「どうせ計画どおりにならない」
社長F:「自社のマンパワーじゃ作れないし利益も生まないのに外部に出す金はない」
社長G:「そんなことより取引先紹介してもらえませんか」
経営計画作成を提案すると、作らない理由がこれでもかと弾丸のように飛んできます。
その反面、経営計画を作成している会社の経営者はその目的をなかなか発信してくれません。
本日のテーマは中小企業で敬遠されがちな経営計画について、経営計画ってなに?経営計画を作成する経営者の目的についてご紹介できればと思います。
経営計画の策定が自社にとって必要か否か、考えるきっかけになれば幸いです。
このブログは公認会計士・税理士である財務コンサルタントが中小企業の経営力を強化して日本を元気にするためにぜひ知っておいてほしいと思う情報を共有するために書いたものです。
結論:計画を策定している会社はつぶれにくい。計画はただ作るだけではなく振り返ることが重要。少し先の将来が予測できるようになる。 トライ&エラーができる会社になる。
経営計画ってなに?
経営計画とは、「経営者方の頭の中にある事業の将来像を具体的かつ明確に可視化した資料」です。
こんなことを言うと拒否反応を起こしてしまう経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でもそういうことなんです。
ただし、事業の将来像とは「理想像」のことではありません。
経営計画に必要な要素
① 経営計画の各項目の前提の設定に手を抜かない(現実的な実行性の高い計画)
② 経営計画と実績値を振り返り、差が出た科目についてとことん追求する
③ 損益計算書だけではなく貸借対照表計画、資金繰り計画も作成する
経営計画を作成する経営者の目的
効果①:売上高を上げたい
理由:経営計画作成にあたり過去の得意先別や商品別の売上の傾向を分析することで、自社の強みや弱みが見えてきます。強みを生かす努力をするのか、弱みを維持する努力をするのかは経営判断ですが、根拠をもって現実的に達成可能な売上目標を目指す場合とやみくもに営業がんばろうと目指す場合、どちらが売上高増加を実現できるでしょうか。
効果②:利益を上げたい/確保したい
理由:精度の高い変動費と固定費を経営計画に落とし込むことで、原価率が上昇傾向の科目や、長年見直していなかった利益を圧迫している固定費などをあぶり出すことができます。経営計画は達成可能であることが前提ですから、その副産物として管理可能な費用の見直しや販売単価の改訂、設備投資案などのアイデアが出ることもあります。もちろん十分な検討の結果、経営計画の利益が従前を下回る計画となる場合もありますが、作成しない場合よりも早期に利益改善に着手することが出来ます。
効果③:つぶれにくい会社にしたい
理由:資金繰りは企業が継続するために最も重要な要素です。経営計画を策定する際に、損益計算書だけではなく貸借対照表、資金繰り表についても計画に落とし込み、目標利益の設定の際には資金繰りの観点からも計画を立てることが重要です。資金調達がどの時期に必要か予測することが出来れば、経営計画をもって金融機関に支援を要請することもできます。
効果④:お金を貯めたい
理由:経営計画により目標利益達成に向けて行動することで、経常収支(本業からの収支)が改善すれば経営計画策定前よりも収益力が向上し、企業の財務基盤が安定します。
効果⑤:トライ&エラーが出来る企業になりたい
理由:経営計画の前提が明確であれば、結果実績が未達であった場合でも想定と何が異なったのか、改善策も具体的に考えることができます。このトライ&エラーが出来る企業か否かが経営計画を作成している会社とそうではない会社の最も重要な点かもしれません。
いかがでしたでしょうか。
経営計画を作成する経営者の目的は、会社の規模に関係なくどの企業の経営者の方も常の考えていることではないかと思います。。
つぶれにくい会社、トライ&エラーができる会社、いつの時代でもそういう企業が生き残りますよね。
予測不能な事態が頻発している昨今、経営計画はまだハードルが高いと考える経営者の方も、一度業績の振り返りにプロの意見を取り入れること検討してみてはいかがでしょうか。新たな気付きがあるかもしれません。
この度はブログを読んで頂きありがとうございました。
経営に“財務の目線”を
財務コンサルタント 谷口純一
2022.07.05
人間ドックと健康経営
先日、人間ドックに行ってきました。
35歳にして初めて胃カメラを飲んだのですがもう二度とやりたくないと思いました。
とはいえ健康第一ですので日々の節制(時に甘やかしますが)と定期的な検診はするよう心掛けています。
これは事業経営にもいえることで、最近では「健康経営」とも言われ注目されています。企業はめまぐるしく変わる経営環境の中で事業を継続するためさまざまな努力をされていることと想像しますが、本日は事業を継続させるため必要な定期的なチェックの話を。
このブログは公認会計士・税理士である財務コンサルタントが中小企業の経営力を強化して日本を元気にするためにぜひ知っておいてほしいと思う情報を共有するために書いたものです。
結論:事業を継続するためには変化に「気付ける体制」を構築すること、そのために自社を「数字で語れる」ようになることが重要である。「数字で語れる」会社はトライ&エラーができる会社になりやすい。企業にも定期健診を。健康経営。
変化に気づける体制
事業活動は会社の経営者、担当者の方のご経験やノウハウにより日々実行され、マーケティングや営業活動、製品開発などの事業活動、企業努力の結果が今日の企業の土台となっています。
そのため経営環境や経営状況(経営成績、財政状況)の変化についても、経営者の「肌感」や「感覚」として気付くこととなり、その変化に対応してきたからこそ事業は継続しているのです。
ただし、病気と一緒で「肌感」や「感覚」はある程度影響が大きくなったり目に見えて変化がないと見過ごしてしまうことがあります。早期発見、早期治療の重要性は健康のために広く知られていますが、企業にも同じことが言えるのではないでしょうか。
事業活動の結果や状況を最も客観的で定量的にあらわしているものはほかでもない決算情報です。
「血圧が上がった」、「尿酸値が上がった」のと同じように、数値として定量的に確認できる変化を見逃さないために決算の振り返りをしっかり実施する体制を構築して頂きたいと考えます。
自社を数字で語れるようになる
「数字は語る」とよく言います。
我々は財務(税務、資金繰り)のプロであり「数字を語る」ことは出来ますが、会社を「数字で語れる」かというとそんなことはありません。「数字で語れる」には経営者の方と協力して深掘りすることが欠かせません。
文字だけだとわかりにくいですよね。(笑)
「数字を語る」
・売上高が前年比10%増加しています。
・原価率が上昇しており、利益率が低下しています。主に材料費率がこの2年間で5%上昇しています。
「数字で語れる」
・売上高は既存製品の市場で競合製品が投入されたため頭打ちとなり、なんとか値下げにより前年比5%減に留めましたが、新製品の開発に成功し、新製品売上が〇〇万円増加した結果、前年比10%増加しています。
・原価率は新製品の材料費率が他の製品と比して高いため上昇しています。
いかがでしょうか。
「数字を語る」のと「数字で語れる」のはぜんぜん違いますよね。
その数値の裏にある背景や過程(いわゆる定性的な情報)を把握しているのはほかでもなく経営者の方ですので、我々が気付く状況変化やトレンドに経営者の意見を加えることで経営判断に活かせる振り返り情報にすることができるということです。
数字を語れるとトライ&エラーができる会社になる
上記の例で示したように、会社の数値を「数字で語れる」と、その事実から現状理解や改善のための新たなアイデアが生まれるというメリットがあります。
・値下げしなかったら売上はもっと減少していたのか
・値下げしなくても売れる付加価値は何か、競合製品との差別化はできないか
・新製品の売上高は増加したが全体として利益は増加しているのか
建設的な意見からトライ&エラーができる会社は経営環境の変化への対応力も改善行動への機動力も数字を語れない会社より圧倒的に強くなるのではないでしょうか。資金調達が必要な場合でも金融機関に正しく自社の状況を伝え支援を要請することもできます。
本日は以上となります。
会社にも人間ドックのような定期健診を検討してみてはいかがでしょうか。
この度はブログを読んで頂きありがとうございました。
経営に“財務の目線”を
財務コンサルタント 谷口純一