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2022.07.05
人間ドックと健康経営
先日、人間ドックに行ってきました。
35歳にして初めて胃カメラを飲んだのですがもう二度とやりたくないと思いました。
とはいえ健康第一ですので日々の節制(時に甘やかしますが)と定期的な検診はするよう心掛けています。
これは事業経営にもいえることで、最近では「健康経営」とも言われ注目されています。企業はめまぐるしく変わる経営環境の中で事業を継続するためさまざまな努力をされていることと想像しますが、本日は事業を継続させるため必要な定期的なチェックの話を。
このブログは公認会計士・税理士である財務コンサルタントが中小企業の経営力を強化して日本を元気にするためにぜひ知っておいてほしいと思う情報を共有するために書いたものです。
結論:事業を継続するためには変化に「気付ける体制」を構築すること、そのために自社を「数字で語れる」ようになることが重要である。「数字で語れる」会社はトライ&エラーができる会社になりやすい。企業にも定期健診を。健康経営。
変化に気づける体制
事業活動は会社の経営者、担当者の方のご経験やノウハウにより日々実行され、マーケティングや営業活動、製品開発などの事業活動、企業努力の結果が今日の企業の土台となっています。
そのため経営環境や経営状況(経営成績、財政状況)の変化についても、経営者の「肌感」や「感覚」として気付くこととなり、その変化に対応してきたからこそ事業は継続しているのです。
ただし、病気と一緒で「肌感」や「感覚」はある程度影響が大きくなったり目に見えて変化がないと見過ごしてしまうことがあります。早期発見、早期治療の重要性は健康のために広く知られていますが、企業にも同じことが言えるのではないでしょうか。
事業活動の結果や状況を最も客観的で定量的にあらわしているものはほかでもない決算情報です。
「血圧が上がった」、「尿酸値が上がった」のと同じように、数値として定量的に確認できる変化を見逃さないために決算の振り返りをしっかり実施する体制を構築して頂きたいと考えます。
自社を数字で語れるようになる
「数字は語る」とよく言います。
我々は財務(税務、資金繰り)のプロであり「数字を語る」ことは出来ますが、会社を「数字で語れる」かというとそんなことはありません。「数字で語れる」には経営者の方と協力して深掘りすることが欠かせません。
文字だけだとわかりにくいですよね。(笑)
「数字を語る」
・売上高が前年比10%増加しています。
・原価率が上昇しており、利益率が低下しています。主に材料費率がこの2年間で5%上昇しています。
「数字で語れる」
・売上高は既存製品の市場で競合製品が投入されたため頭打ちとなり、なんとか値下げにより前年比5%減に留めましたが、新製品の開発に成功し、新製品売上が〇〇万円増加した結果、前年比10%増加しています。
・原価率は新製品の材料費率が他の製品と比して高いため上昇しています。
いかがでしょうか。
「数字を語る」のと「数字で語れる」のはぜんぜん違いますよね。
その数値の裏にある背景や過程(いわゆる定性的な情報)を把握しているのはほかでもなく経営者の方ですので、我々が気付く状況変化やトレンドに経営者の意見を加えることで経営判断に活かせる振り返り情報にすることができるということです。
数字を語れるとトライ&エラーができる会社になる
上記の例で示したように、会社の数値を「数字で語れる」と、その事実から現状理解や改善のための新たなアイデアが生まれるというメリットがあります。
・値下げしなかったら売上はもっと減少していたのか
・値下げしなくても売れる付加価値は何か、競合製品との差別化はできないか
・新製品の売上高は増加したが全体として利益は増加しているのか
建設的な意見からトライ&エラーができる会社は経営環境の変化への対応力も改善行動への機動力も数字を語れない会社より圧倒的に強くなるのではないでしょうか。資金調達が必要な場合でも金融機関に正しく自社の状況を伝え支援を要請することもできます。
本日は以上となります。
会社にも人間ドックのような定期健診を検討してみてはいかがでしょうか。
この度はブログを読んで頂きありがとうございました。
経営に“財務の目線”を
財務コンサルタント 谷口純一
コメント
- 2023.12.13 14:41
- ZAP