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2022.07.13
経営計画を作る経営者の目的
財務コンサルタントあるあるなのですが、
私:「経営計画作りませんか?」
社長A:「先のことなんてわからん」
社長B:「うちみたいな小さな会社に必要ない」
社長C:「数字は頭に入っている」
社長D:「会社まわってんねん」
社長E:「どうせ計画どおりにならない」
社長F:「自社のマンパワーじゃ作れないし利益も生まないのに外部に出す金はない」
社長G:「そんなことより取引先紹介してもらえませんか」
経営計画作成を提案すると、作らない理由がこれでもかと弾丸のように飛んできます。
その反面、経営計画を作成している会社の経営者はその目的をなかなか発信してくれません。
本日のテーマは中小企業で敬遠されがちな経営計画について、経営計画ってなに?経営計画を作成する経営者の目的についてご紹介できればと思います。
経営計画の策定が自社にとって必要か否か、考えるきっかけになれば幸いです。
このブログは公認会計士・税理士である財務コンサルタントが中小企業の経営力を強化して日本を元気にするためにぜひ知っておいてほしいと思う情報を共有するために書いたものです。
結論:計画を策定している会社はつぶれにくい。計画はただ作るだけではなく振り返ることが重要。少し先の将来が予測できるようになる。 トライ&エラーができる会社になる。
経営計画ってなに?
経営計画とは、「経営者方の頭の中にある事業の将来像を具体的かつ明確に可視化した資料」です。
こんなことを言うと拒否反応を起こしてしまう経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でもそういうことなんです。
ただし、事業の将来像とは「理想像」のことではありません。
経営計画に必要な要素
① 経営計画の各項目の前提の設定に手を抜かない(現実的な実行性の高い計画)
② 経営計画と実績値を振り返り、差が出た科目についてとことん追求する
③ 損益計算書だけではなく貸借対照表計画、資金繰り計画も作成する
経営計画を作成する経営者の目的
効果①:売上高を上げたい
理由:経営計画作成にあたり過去の得意先別や商品別の売上の傾向を分析することで、自社の強みや弱みが見えてきます。強みを生かす努力をするのか、弱みを維持する努力をするのかは経営判断ですが、根拠をもって現実的に達成可能な売上目標を目指す場合とやみくもに営業がんばろうと目指す場合、どちらが売上高増加を実現できるでしょうか。
効果②:利益を上げたい/確保したい
理由:精度の高い変動費と固定費を経営計画に落とし込むことで、原価率が上昇傾向の科目や、長年見直していなかった利益を圧迫している固定費などをあぶり出すことができます。経営計画は達成可能であることが前提ですから、その副産物として管理可能な費用の見直しや販売単価の改訂、設備投資案などのアイデアが出ることもあります。もちろん十分な検討の結果、経営計画の利益が従前を下回る計画となる場合もありますが、作成しない場合よりも早期に利益改善に着手することが出来ます。
効果③:つぶれにくい会社にしたい
理由:資金繰りは企業が継続するために最も重要な要素です。経営計画を策定する際に、損益計算書だけではなく貸借対照表、資金繰り表についても計画に落とし込み、目標利益の設定の際には資金繰りの観点からも計画を立てることが重要です。資金調達がどの時期に必要か予測することが出来れば、経営計画をもって金融機関に支援を要請することもできます。
効果④:お金を貯めたい
理由:経営計画により目標利益達成に向けて行動することで、経常収支(本業からの収支)が改善すれば経営計画策定前よりも収益力が向上し、企業の財務基盤が安定します。
効果⑤:トライ&エラーが出来る企業になりたい
理由:経営計画の前提が明確であれば、結果実績が未達であった場合でも想定と何が異なったのか、改善策も具体的に考えることができます。このトライ&エラーが出来る企業か否かが経営計画を作成している会社とそうではない会社の最も重要な点かもしれません。
いかがでしたでしょうか。
経営計画を作成する経営者の目的は、会社の規模に関係なくどの企業の経営者の方も常の考えていることではないかと思います。。
つぶれにくい会社、トライ&エラーができる会社、いつの時代でもそういう企業が生き残りますよね。
予測不能な事態が頻発している昨今、経営計画はまだハードルが高いと考える経営者の方も、一度業績の振り返りにプロの意見を取り入れること検討してみてはいかがでしょうか。新たな気付きがあるかもしれません。
この度はブログを読んで頂きありがとうございました。
経営に“財務の目線”を
財務コンサルタント 谷口純一
コメント
- 2022.09.02 16:26
- 山森章弘